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『ノルウェイの森』から見る村上春樹の文

996论文网日期:2023-05-14 16:07:22点击:264

目次

はじめに

第一章、『ノルウェイの森』における象徴の手法

一、人物の象徴

二、場所の象徴

三、音楽の象徴

第二章、『ノルウェイの森』から見る村上春樹の文学特徴

一、環境描写

二、作品の人物象

三、言語特色

第三章、文学の中の伝統主義の色彩と後現代主義の色

一、伝統文学に影響される

二、ポストモダンの文学的特徴

三、伝統主義はポストモダン主義と結びついている

第四章、『ノルウェーの森』を代表とする村上文学の孤独感と、自己意識の模索

一、日本の青年は自分に対する迷いの気持ちを示している

二、現代都市の無関心

三、親愛は健全な人間関係に発展する

終わりに


要旨

現代日本文壇で活躍している作家として、村上春樹はアジアでノーベル文学賞に一番近い作家だと言われている。1979年のデビュー以来、現在まで名作を世に送り出し、『ノルウェイの森』 (1987) が代表作として、『羊をめぐる冒険』 (82) ,『世界の終りとハードボイルド?ワンダーランド』 (85) ,『ダンス?ダンス?ダンス』 (88) など作品が日本は元より海外でも高く評価されている。村上の作品は一見都会的でおしゃれであるが,言語への懐疑,都市生活の空虚さへの凝視が見え隠れし、その独特な虚無感が特に若者たちの共感を呼んでいる。本稿の目的は、『ノルウェイの森』と言う作品を通じて、村上春樹小説の文学特色を解明することになる。

本論文は主に四つの部分にわかれている:

一つは作品の象徴的手法について、人物像の象徴、具体のイメージの象徴、音楽の象徴の分析によって『ノルウェイの森』における象徴の手法を解明する。

二つは『ノルウェイの森』から見る村上春樹の文学特徴を環境描写、人物描写、言語の特色から分析を行なった。

三つは村上春樹の文学におけるポストモダンと伝統文化の要素を分析した。

四つは、村上文学が生まれた時代背景を分析する。

キーワード:村上春樹 文学特徴 象徴 ポストモダン伝統文学美学

孤独感 自己意識


摘要

村上春树被称为亚洲最接近诺贝尔奖的作家活跃在日本现代文坛之中。1979年出道以来直到现在著名作品不断问世,以代表作《挪威的森林》(1987)为首,《寻羊冒险记》(82)、《世界尽头与冷酷仙境》(85),《舞舞舞》(88)等诸多作品不仅在日本国内,在海外也深受好评。村上春树的作品初看有着都市的华丽感,但在其作品中对话语的怀疑和城市生活的空虚感若隐若现,这份独特的虚无感特别能够引起年轻人的共鸣。本文的目的在于通过《挪威的森林》这部作品,对村上春树小说的文学特色进行解析。

本文共分为四个主要部分:

一、对《挪威森林》这部作品中的象征手法从人物、意象、音乐三个方面进行解析。二、对《挪威森林》的文学特征从环境描写、人物描写、语言特色进行分析。三、对村上春树文学中的后现代要素与传统文化要素进行分析。四、对村上文学产生的时代背景进行分析。

关键词:村上春树 文学特征 象征 后现代主义 传统文学 美学 孤独感

自我意识


はじめに


村上春樹は1949年東京で生まれた。早稲田大学の映画演劇科に進学した。1979年4月、『群像』に応募した『風の歌を聴け』が第22回群像新人文学賞を受賞し、作家デビューを果たした。1987年、『ノルウェイの森』が出版された。本文では、村上春樹の『ノルウェイの森』を研究し、小説の文学性について考察する。


第一章、『ノルウェイの森』における象徴の手法

『ノルウェイの森』には、象徴の表現手法が多く使われる。登場人物、関連する場所、音楽まえ象徴的手法が使われ、それを連想させる具体的事物や感覚的形象によって物事を表現する。以下は作品の象徴の手法を分析する。

一、人物の象徴

(一)主人公「僕」

『ノルウェイの森』は一人称の視点から語られていた物語である。作品は「僕」という一人称を使って物語を進行させているものである。主人公の「僕」は、孤独の都市青年である。「僕」はいくつかの相反する特質を持った人である。親切で優しい男であると同時に、社会、他人との交際を疎遠し、一切の物事に距離を置く男である。「僕」は主流社会から離れ、社会の出来事に無関心である。そして、超然的態度で自我の世界で生きている。村上春樹の小説の中、一人称を使って物語を進行させることが特徴として挙げられる。読者は、語り手「僕」の目で見ている世界だけが読み取れる。このように、読者は主人公の思考や行動に従って、主流社会を遊離した孤独な都市靑年「僕」が心理的変遷の過程に介入し、主人公の心理的状態の変化を感じ取れる。このような仕組みでは、読者の感情移入が容易であろう。多くの読者は、「僕」に自己を投影すし、「僕」の経歴に共感することがある。作品における「僕」は主人公のことを指すだけでなく、主人公の経歴に共感する孤独の若者をも指す。

(二)直子

直子は唯一の友達のキズキの恋人である。キズキは自殺した後、「僕」は直子と一年ぶりの再会をした。その後、デートして、恋人関係になった。直子の「直る」は日本語では、「愈し」、「治療」、「回復」の意味を持っている。しかし、直子自身はキズキの自殺で心を深く病んでいた。従って、直子はよく病気、死亡を連想させる。

直子は純情で感傷的な女子である。高校時代、彼氏のキズキの死亡で直子は生活、進路、社会に抵抗と恐怖を感じ、故郷を離れ、東京の大学に進学する。そして、20歳のとき療養院に入り、数ヶ月後に自殺した。直子という人物はいつも憂鬱で、内面が孤独である。作品は、直子の容姿や外貌など写実の部分を描写が少なかった。すなわち、「僕」の回想として語られる直子が死ぬこと、読者には最初から分かっている。「僕」と直子の間に、かつて存在していたキズキという人物がいる。「僕」と直子はキズキの死に繋がっている。物語の根底に死が、流れ続けている。直子にとって、キズキがいない「その世界」はもはや完全とは言えない。現実の世界も直子にとっては不完全な世界である。

(三)緑子

「僕」との関係において重要なのが、緑である。緑は「僕」に好意を抱いている。緑は小説のなかで一貫して、明るく、個性的な女の子として描かれる。緑は幼い頃から家庭環境に恵まれず、物語の中で入院していた父親も死んでしまい、その逆境にもめげずに姉と力を合わせながら健気に生きている。外見から、緑は「髪の長かったときの彼女は、僕の覚えている限りではまあごく普通の可愛い女の子だった。でも今僕の前に座っている彼女はまるで春を迎えて世界に飛び出したばかりの小動物のように瑞々しい生命を体中からほとばしらせていた。その瞳はまるで独立した生命体のように楽し気に動きまわり、笑ったり怒ったりあきれたり諦めたりしていた。」 、「小動物のように瑞瑞しい生命感を感じさせる」人物だといえる。

直子が閉鎖、虚無、純粋、静寂の他界の存在を象徴しているとしたら、緑は、現実的な存在であり、開放、現実、汚濁、喧騒の陽界を表わす。緑はまた若いのに、祖父、祖母、両親をしなせた。そうだとしても、緑は楽観的で、生活の幸せを求めている。彼女はずっと積極的な状態を保っている。直子は「あちら側」=死の世界を象徴するのにたいして、緑は「こちら側」=生の世界を象徴する。

(四)「突撃隊」

「突撃隊」は「僕」が暮らしている寮の同室者である。彼は、「国土地理院」に入って「地図を作る」ことを目標に「国立大学で地理学を専攻していた」。彼らは、「僕」の世界に間違って入り込んでしまった「闖入者」を象徴する。

二、場所の象徴

(一)「森」

「この曲聴くと私ときどきすごく哀しくなることがあるの。どうしてだがはわからないけど、自分が深い森の中で迷っているような気になるの」 と直子は言った。「森」は、直子の悲劇の人生を象徴すると考えられる。また、は、自分の世界に閉じこもった「僕」と直子は社会に疎遠され、出口の見つからない森を歩いている。結局、直子はこの森の中で孤独に感じている。孤独は直子が未来に対する憧れを破壊した。

(二)「井戸」

井戸は、村上作品によくあるイメージである。井戸は深い象徴的意味を持っている。村上の作品には、「井戸」のイメージがいくつか見られる。『ねじまき鳥クロニクル』と『羊をめぐる冒険』には、井戸は重要現世界と異世界を結びつく役割を果たしている。『ノルウェイの森』には、井戸は直子と直接に関係している。主人公の記憶には、井戸は直子と深く関わっている。小説の導入部に、直子は僕に井戸の話をしてくれた。「穴の中には暗黒が――世の中のあらゆる種類の暗黒を煮つめたような濃密な暗黒が――つまっている」の提示されるように、井戸は暗黒である。これは、井戸の特徴だけでなく、井戸が人を飲み込む存在を暗示すると考えられる。井戸は「あちらの世界」、つまり死亡を意味する。井戸は、地上と地下を結び装置であり、こちらの世界とあちらの世界を結び装置でもある。「目にしたわけではない井戸の姿が、僕の頭の中では分離することのできない一部として風景の中にしっかりと焼きつけられているのだ。僕はその井戸の様子を細かく描写することができる。」井戸は直子にとって「死」を色濃く予感させる存在である。

(三)異世界としての阿美寮

阿美寮は直子が泊まっている精神療養施設である。東京から遠くの精神病療養所に入った。阿美寮は一般的な病院ではない。実際阿美寮は、自己逃避の場所と精神的楽園でもある。阿美寮は現実の世界とはまったく違った世界であある。ここでは患者の間に、患者の医師との間に、みんな平等である。直子は阿美寮の生活について「ここの生活そのものが療養なのよ。規則正しい生活、運動、外界からの隔離、静けさ、おいしい空気。私たち殆ど自給自足で暮らしてるし、tvもないしラジオもないし。」と言った。しかし、このような和睦の雰囲気は孤独者を自己の世界から救い出すことができない。阿美寮に入所している人は最後にこの世界から離れ、他界へ行ってしまう。直子は自殺した。レイコは最後に阿美寮を脱出し、現実の世界に戻った。

作者は「阿美寮」の非現実性について、作者は「向こう側の世界は京都の山奥にある精神病院の施設で、『僕』がいる東京の世界がこちら側の世界。」と書いた。この非現実性は「阿美寮」の地理的位置にも見られる。阿美寮は山深いところにあり、バスで行くと、杉林に入り杉林を抜けて集落に入り、集落を抜けてまた杉林に入ったところにある。そこには、人家もなく、畑もなく、この世と隔絶している別の世界に見える。井坂康志は「京都の精神病院は生者と死者の二つの世界の間にあって、われわれの人生が何のために存在するのかを明らかにしようとする自我の働きを暗部から刺激する象徴である。」 と述べ、阿美寮の非現実性を暗示した。また、「僕」にとって、当時学生運動が高揚している東京と比べて、京都の山の奥にある阿美寮はまるで幻想的な世界のような存在でだろう。

三、音楽の象徴

(一)ビートルズの「ノルウェイの森」

村上は楽曲を場面の背景的音楽として使用し、現実生活における都市靑年の複雑な感情と主人公の心境の変化を表わす。時代と欧米文化の影響及び個人の経歴で、村上は音楽を使いこなす小説家となった。彼の作品には、文字と音楽が作品の謎を解くカギになった。村上は音楽で人物と読者の間に感情の架け橋を架け、音楽でその感情を共有させる。村上作品は世界で多くの読者を引きつけている原因も音楽による共感ではないかと考えられる。

登場人物がどんな音楽を選ぶか、耳に入ってきた音楽にどう反応するかで、その人の気持ちが窺える。この小説の中には、ビートルズの「ノルウェイの森」が何回も出ている。『ノルウェイの森』の重要な部分には、「ノルウェイの森」が、そしてビートルズの楽曲が登場する。『ノルウェーの森』の楽曲は、主人公に「失われた時間、死にあるいは去っていった人々、戻ることのない想い」を想起させ、一九六九年の秋の直子に関する記憶を喚起する。

小説の冒頭部、「飛行機が着地を完了すると禁煙のサインが消え、天井のスピーカーからビートルズの「ノルウェイの森」が流れ始めた。そのメロディーは、僕を混乱させる。僕は音楽のなかで過去のことを思い出す。冒頭部の「ノルウェイの森」は主人公の青春時代、直子との過去を回想させるため設置されたと考えられる。「ノルウェイの森」は主人公直子の一番好きな曲である。この曲には、恋人が離れた悲しい物語を描いた。この曲は主人公の「ワタナベ」と直子の関係を暗示している役割を果たしている。また、主人公は直子と再会し、直子のアパートを訪れたときに、ビートルズの「ノルウェイの森」が流れている。

(二)「七つの水仙」

「七つの水仙」(seven daffodils)はロマンチックな内容が歌われる。水仙は「僕」と緑の関係を示唆する。「僕」が緑を会いに行ったとき、水仙の花を何本が買った。秋に水仙を買うというのも変なものであったが、僕は昔から水仙の花が好きであった。そして、緑は「七つの水仙」を歌ってくれた。

水仙の名前の由来はギリシャ神話に登場するナルキッソスという美少年から来ているといわれ、「愛に応えて くれ」という花言葉がある。この歌は「僕」と緑の達成できない愛を象徴すると考えられる。


第二章、『ノルウェイの森』から見る村上春樹の文学特徴

『ノルウェイの森』から見る村上春樹の文学特徴について、環境描写、人物描写、言語的特徴から分析する。

一、環境描写

作品の環境描写は、外部世界と人物の内的世界の交代を表わす。このような外部環境の描写は物語の発展を推進し、同時の雰囲気を暗示し、関連人物の心象風景を描くことができる。

例えば、冒頭部の「十八年という歳月が過ぎ去ってしまった今でも、僕はあの草原の風景をはっきりと思いだすことができる。何日かつづいたやわらかな雨に夏のあいだのほこりをすっかり洗い流された山肌は深く鮮かな青みをたたえ、十月の風はすすきの穂をあちこちで揺らせ、細長い雲が凍りつくような青い天頂にぴたりとはりついていた。」村上は情景描写に重点を置かれる。例えば、上記の例文において、山、草原、空、風、雨、雲など自然景観に感する繊細の描写を通じて、人物の心象風景が色濃く反映されている。小説の冒頭部、森と「確かに深い」井戸は、「僕」と直子間の愛情の破滅を暗示した。小説の最後に現れた広々とした人だかり、森は同じ効果を持っており、「僕」と緑の恋の終わりを暗示した。

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